心身の美しさなどを競うミセスコンテストで日本一になり、2023年12月にインドで開かれる世界大会に出場する豊川市在住の疋田希望さん。「豊川が大好き。豊川を世界にPRして盛り上げてきます」と目を輝かせている。
疋田さんは2022年9月、東京都内で開かれた40歳以上対象の「BE DREAM AWARD」(ビードリームアワード)に参加。美や知性、文化・芸能の発信力などを競う、「Mrs. GRACE(ミセスグレース)セッション」に出場してグランプリを獲得。世界大会への切符を手に入れた。
子どものころの疋田さんは、男の子と缶蹴りをして遊ぶ元気な女の子。「小中高と、ずっと体育委員でした」。一方でファッションに興味があり、高校ではロリータファッションに夢中。大きくふくらんだミニスカートにフリルやレースがたくさんついた西洋人形のようなスタイルを楽しみ、その後は歌手の安室奈美恵さんを真似たアムラーファッション、サーファーをイメージしたサーフファッションなど、流行を満喫した。卒業後は地元の専門学校で1年間グラフィックデザインを学んだのち、父親が経営する豊橋市内のライブハウス「バークレー」のホールスタッフをしながら、母が経営する衣類販売のサロンを手伝った。このほかアパレル店員をはじめ、さまざまな仕事を経験しながらファッションの知識などを広げ、つながりの輪も広げた。そのひとつが豊川市役所内の売店スタッフ。「最初は頼まれて1カ月だけのつもりが、居心地がよくて。結局7年間お世話になりました」。疋田さんは「のんちゃん」と呼ばれて職員らに親しまれ、たくさんの縁ができた。「市役所で働いたことがひとつの転機。そこで出会った人たちのためにも、この豊川市の魅力を発信したいと思うようになりました」。
2020年、疋田さんは知人の紹介で「Mrs Earth Japan」(ミセス アース ジャパン)に出場。専門家からレッスンを受けられる「ビューティーキャンプ」を体験した。真摯に取り組んだ結果、ファイナリストに残り、ビューティーキャンプ賞を受賞。疋田さんは大会を通じて、ウォーキングの指導に興味を持ち、講師の資格を取得した。翌年にはウォーキングインストラクターとして同大会に参加。そして2022年、別の大会のビューティーキャンプで講師を務めたのち、「ファイナリストの気持ちを思い出すために」と、もう一度コンテストに出場を決意。「BE DREAM AWARD」で見事グランプリを獲得した。
今回参加する世界大会「Mrs United Nation」(ミセス ユナイテッド ネイション)にはパフォーマンスのコーナーがあることから、疋田さんは「とよかわ手筒花火」など、豊川をアピールする演出を計画。地元の有志たちとともにプロジェクトチームを立ち上げて準備をしてきた。コスチュームや飾り物などは、市内の祭り用品店や花屋などが中心になって製作。ヘアメイクや英語スピーチの担当者も地元の人たちが協力するなど、チーム一丸となって挑戦する。
「市役所の売店で働いた経験がなければ、これほどまでに豊川愛は育たなかったかもしれません。お世話になった方々のためにしっかりと豊川をPRし、その先も市を盛り上げる活動を続けていきたいと思っています」と、疋田さんは意気込みを語った。